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知事提唱

 

20世紀がまもなく終わり、21世紀の扉が開かれようとしています。長い人類の歴史の中でも、目覚ましい発展を遂げた20世紀、私たちは経済的な豊かさを手にしました。反面、地球を傷つけ、多くの自然を失いました。今そのことに気づき、物の豊かさとともに心の豊かさを求めています。20世紀を振り返り、21世紀の新潟県の在るべき姿、私たち県民が進むべき方 向を考えるとき、長い間人類が守ってきた自然との共生をもう一度取り戻すこと が重要であると思います。
 自然は人間の生存の基盤です。中でも、木々のつくり出す緑の空間は、私たち人間の生活を支え、環境を守り、文化を育んでくれます。それはまた、人間だけでなく、すべての生命に恵みを与えてくれます。私達のふるさと新潟には豊かな自然があります。これは遠い祖先から受け継いできた新潟の宝物です。この宝物を私達は少しずつ傷つけてきたかもしれません。今、新潟を世界に誇れるふるさととし、未来に引き継いでいくためには、豊かな自然を取り戻し守っていくための新たな取り組みが必要です。そして、近年、地球温暖化防止への取り組みが世界的に叫ばれています。そのためにも、今から成すべきこと、それは、木を植え、緑を守り育てることだと思います。
 ふるさと新潟を愛し、地球を愛する思いから、今、ここに県民の有志の方々から提唱された木を植え、緑を守り育てる『にいがた「緑」の百年物語−木を植える県民運動』、この運動が、大きな流れとなり、時空をかけぬけ、世界に向って広がり、21世紀の新潟に大きな輝きをもたらしてくれることを願いながら、私からも県民の皆さんに呼びかけたいと思います。一緒に木を植えましょうと・・・。
 新たな世紀、21世紀百年をかけて新潟県民は緑の物語を語り継ぎ、「緑の遺産」を22世紀の県民に残そうではありませんか。木を植え、それを育てていくには長い時間が必要です。中国には「前人栽樹、後人涼」ということわざがあります。今から、『にいがた「緑」の百年物語−木を植える県民運動』をスタートしようではありませんか。22世紀の県民のために・・・。

平成10年10月8日
新潟県知事 平 山 征 夫

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