ニャンダーかめんの声優とスタッフの打ち上げパーティーで
最近のご活動をおしえてください。
最近というか、ずっとアンパンマンの絵本を書き続けています。また来年の夏に放映する映画のストーリー作りですね。長編と短編の2本なのですが、両方ともできました。

 長編は『うきぐも城のひみつ(仮題)』といって雲にある工場が舞台です。その工場が何をしているかというと、汚い空気を吸い込んできれいな空気に変える、そしてきれいな雨を降らせてくれるです。汚れたものをみんなきれいにしていく仕事をしているのですね。
 ところが長い間やっているから汚染されてしまって、機械も古くなって、そのうきぐも城をバイキンマンが乗っ取ろうとするのです。そこで戦いが始まりますが、最後は全部収まって、みんなきれいになっちゃう。
 今度のストーリーが非常におもしろいのは、バイキンマンも最後にはきれいになっちゃうんです。

 そして短編の方は『てっかのマキちゃんとスーパーかまめしどん(仮題)』というのですが、マキちゃんは“す巻き”を持って旅をしている。で、このす巻きでもって悪いヤツをやっつけちゃう。
 きのこ山という場所で、きのこ祭りをやっているのですが、そのお祭りをバイキンマンが妨害して、それに“どんぶりマントリオ”が・・・てんどんマン、かまめしドン、かつどんマンの3人なんですが、絡まってくるのですね。また、他にも泉の精とか出てきますけど。

 これからは映画に取りかかるというか、絵を描くのですね。それが一番忙しい。また、展覧会とコンサートをしょっちゅうやっています。
 一番最近は愛知県の豊田市でやりました。今年はお休みですが、毎年お正月になると京都で展覧会とコンサートもしていますよ。 
一緒にコンサートをする岡崎裕美さんと大和田りつこさん
やきそばパンマンを歌うやなせさん
コンサートはいつも大盛況のようですね。
ええ、よく歌ったり、踊ったりしていますよ。もちろん専門の方にも出演いただいてショー編成でやっています。
 アンパンマンの歌とかいろいろやるのですが、僕の場合は子供だけでなく大人も十分面白いように作ってあるんで来ているお母さんもすごく喜んでいますよ。

 僕は子供だけっていうのはあまり好かないのです。アンパンマンやニャンダーかめんの場合は対象年齢が低いので、1歳や2歳のお子さんもいる。そんな幼児の場合は必ずお母さんが一緒なんです。一人では会場まで歩いてこれませんからね。(笑)

 ですから、おじいさん、おばあさんも一緒ってことも多いんです。例えば、僕が故郷にアンパンマンミュージアムを作りましたが、その入場者を見ていると3人ないし5人がグループで来られるんですよ。

 よく子供向けと言うのですが、実は小さな子供の場合は大人向けなんです。大人が見て喜べるように大人も含んで考える。だから僕は幼児用の場合は言葉をやさしくしない。
 幼児はどんな言葉で言っても分かりません。1歳ぐらいじゃ言葉は理解できないでしょ。(笑)だから難しい言葉で言ってもいいんですよ。
 でも、側にいる大人が分かって喜べば、子供も喜ぶんです。ちゃんと伝わるんですね。言葉が分からなくても精神的な部分で分かってしまうんです。

 だから、僕のマンガは一緒に見ているうちに大人がはまってしまうことが多いんですよ。初めは見る気はなくても、見てるうちにはまってしまうんですね。(笑)
アンパンマンもニャンダーかめんも森が舞台ですよね。
そうですね、僕の漫画はアンパンマンもニャンダーかめんも、みんな森が舞台になっています。
 アンパンを作るところ、つまりパン屋さんは森の中には普通ないですよね。だって誰も買う人が来ないでしょう。(笑)
 でも何でパン工場が森の中にあるかっていうとパンを売っている訳でなくて、あげてるのですね。森の動物たちに。だから森の中じゃないと困るんです。
 ニャンダーかめんも森の中にあって木が動いたりしていますけど、僕は木も草も花も全部生きていると思っているのですね。ひとつの命だと。

 木や花を育てた経験がある人は分かると思いますが「かわいい、かわいい」って育てればきれいな花が咲くんですよ。でもかわいがり過ぎると死んでしまう。
 ですからある部分では、何というか、厳しくしていかないとダメなんですね。そうしないと木も花も育たない。

 暑い時に水をやると、花が喜んでいるのがよく分かります。やっぱり感情があるんです。あるいは全部生きているんです。
 だから僕のお話の中では木も花もみんな感情があって生きている。もちろん動物もある、というつもりで作っているのですね。
ワンダーフォレスト トップへ
インパク会場