今日は長岡市にあるエコパーク新潟へ、わりばしの炭焼き体験にやってきました。
 案内してくださる金子さんが理事を務めるNPO地域循環ネットワークでは、地元長岡市内の飲食店様などの協力を得て、毎月48万本ものわりばしを回収・分別し、きれいなもの(約20万本)は紙の原料として地元の製紙工場へ、そしてその他のもの(約30万本)は炭としてリサイクルしているのだそうです。
 
炭焼き小屋自体もボランティアの手によって作られました
 ここには2つの炭焼き窯がありました。
 ひとつは「黒炭窯(こくたんがま)」。住宅建材の端材や、間伐した木などを炭にしています。
 こちらではおとといの午後からナラの木が焼かれているとのこと。ちょっとのどがむせるようなモクモクとした煙が出ていましたが、こんな煙が出ているときは、内部がよく燃えている証拠なのだそうです。
 そしてもうひとつは「蓋付わりばし窯」わりばし専用にオ−ダ−メイドしたもので、一度に約9万本のわりばしを炭にできます。
●循環の仕組み
 使う原料であるわりばしの重さは約2グラム、主に炭素でできていますが、それをゴミとして燃やせば空気中の酸素と結びつき、地球温暖化の大きな原因である二酸化炭素(約3グラム)となります。
 わりばしを燃やさずに炭にすることで、炭素を固体の形で再利用できるばかりでなく、使用済みの炭は土に返すことでバクテリアが分解し、また植物の栄養分として再生していきます。
 つまり炭素を固体のまま循環させることで、地球温暖化防止に一役買っているわけです。
新しく作った黒炭窯
廃物利用の鉄釜が使われています
こちらもできたばかりの
蓋付わりばし窯
煙からは木酢液がとれます
これ実は正露丸の原料
温度を測って中の状態を知ります
 
 さて、次はいよいよわりばしの炭焼きに挑戦です。先ほど紹介の「蓋付わりばし窯」にわりばしをそろえて詰めていきます。良い炭を焼くため、隙間をあけずに箸を詰めます。
 満タンにわりばしを入れたら蓋をしていよいよ火入れです。最初はわりばしを均一に乾燥させるため入り口付近に火を入れます。窯の温度などを頼りにしばらくしたら本格的に火を入れていきます。そうして待つこと十数時間、この窯でいうと上の方から熱分解により徐々に炭化し、炭ができてくるのだそうです。
 今回は箸入れと火入れを体験しましたが、機会があれば炭出しもぜひ体験したいなと思いました。残念ながら覗くことはできませんが、窯の中は最高300度くらい。熱分解中のわりばしも真っ赤になっているそうです。
きれいに並べて入れていきます いよいよ火入れの瞬間
焼き上がったわりばしの炭
 
 このわりばしの炭は、たくさんの人たちの理解と協力で作られています。
 使用済みのわりばしを取っておいてくださる飲食店の方々、それを2週間に一回通勤途中に集めてくださる方々、集まったわりばしを紙用・炭用に分別する方々、それを炭に焼き袋に詰める方々など、健常者に障害者、老若男女それぞれが自分のできる範囲で、ボランティアとしてこの運動を支えています。
 わりばしを選別する主婦の方々や、山から木を切り出し薪割りをする定年退職者の方々。 みなさんいきいきと参加しているように見えました。
集められた使用済みのわりばし 分別作業中のボランティアさん