●北斗七星で視力検査
 さて、いよいよ外へ出て星座観測です。最初に見つけたのは、ひしゃくの形でみんながよく知っているおおぐま座の「北斗七星」です。
 ところでこの北斗七星のひしゃくの柄の先端から2番目の星、ミザールっていう2等星なんだけど、そのすぐそばにアルコルっていう4等星が寄り添っています。
 昔アラビアでは兵士の視力検査にこの二重星を使ったんだそうです。みなさんにはこの二重星見えますか?
北の空
アルコルが実際に見えれば1.0以上の視力ですよ
●天をかつぐ牛飼い
 先ほどの北斗七星から眼を東へ移すと、おおぐま座を追いかけるように、天を駆けめぐる「うしかい座」があります。ギリシャ神話によればこの牛飼いは「巨人アトラス」。ゼウスの神に逆らった罰として永遠に天をかつぐ仕事を負わされているとか。なんだかちょっとかわいそう!
●火星vsアンタレス
 さて、南の空に眼を移せば地平線に沿ってその勇姿を見せるさそり座がいます。
 その中でもひときは目立つのが真っ赤に輝く一等星の「アンタレス」、その名前はアンチ・ターレス(火星に対抗するもの)という意味で、火星と並びその赤さを競い合っているのだそうです。
 アンタレスは太陽の230倍もある巨星で、日本ではその真っ赤な色から「酒酔い星」などとも呼ばれているそうです。
目立つ星はオレンジ色のアルクトゥルス
南の空
 星座をながめていると、なにやら夜空を水平ににゆっくりと移動していく光を発見。飛行機でもなければ流れ星でもない。実はこれ、人工衛星なのだそうです。これまでに、500個以上の人工衛星が打ち上げられていて、その多くは使われなくなり、軌道上にゴミとして漂流しているんですって。
 夜空にゆっくり動く星のようなものを見つけたら、それはきっと人工衛星ですよ。
写真に撮るとこんなラインで写ります
「今度はみなさんの頭の上を見てください!」ということで天頂の星を観察です。
 天頂でこう然と輝く3つの一等星、こと座の「ベガ」わし座の「アルタイル」そして白鳥座の「デネブ」この3つの星を結ぶ三角形を≪夏の大三角形≫と呼ぶんですって。特に天の川のうえを優雅に飛ぶ白鳥座の姿は、ゼウスの神がスパルタ王妃レダに合いに出かけるときに、変身した姿だと言われているそうです。ロマンチック…ですよね。
●天の川ってなんでできてる?
 ところで「ベガ」と「アルタイル」の間に流れる美しい「天の川」、その正体はなんだと思いますか?
 実は私たちの住む2,000億個の星の集団「銀河系」の姿を内側からながめているものなのだそうです。射手座付近で特に太く明るくなっているのは、ここに銀河系の中心があるからなのだそうです。
天頂の星座 11月頃まで見えます。
◆時にはタイムトラベラー
地球から織姫(こと座のベガ)までの距離は25光年。1秒間に30万キロメートル(地球を7周半)進む光で25年かかる距離です。言い方を変えれば、25年前、織姫を出発した光が今、私たちの目に飛び込んできているということ。つまり、今、私たちが見ているのは25年前の織姫の姿ということです。星空を見上げる時、私たちはタイムトラベラーなんです。
 メインストリートからほんの20分ばかり山の中へ入っただけなのに、ここは人口の光もなく空気は澄んで本当にたくさんの星を観察することができました。
  ここ神林村には「星降る里」の伝説があるそうですが、本当に今にも空から星たちが降ってきそうな素敵な夜でした。
 みなさんもキャンプなどにいったら、ぜひ「星座早見」を片手に、天体観測を楽しんで見てください。
流れ星をいっぱい見れた〜!!
山の中で見る星は、いつもより
大きく見える気がしたよ。
 
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