「ひび割れた大地 むきだしの岩肌。どこを見ても一面 灰色ばかり・・・。緑などまるで見えない・・・。」と風役の渡辺謙さんのナレーションから始まりました。そこへスポットライトを浴びて、木を植える男役のさだまさしさんが登場。

世界中を旅して木を植え続けてきた男は、この荒れ果てた村にも木を植えはじめました。


やがて育った木々は森になり、子供たちが集まってきました。


風は話します。「来た来た。子供は森が大好きだからな。そら、枝を揺らして木の実を落としてやろうか。」


さらに風は話します。「森のまわりには自然と人が集まるものだ。いや、人間だけじゃない。木の実やキノコを食べる虫や鳥や小さな動物、それを餌にする大きな動物も集まってくる。」


森は人の暮らしだけでなく、心まで豊かにしてくれます。
自然の中で人は出逢い、愛をはぐくみます。


そして、自然に見守られて、愛は育っていきます。


しかし、森の恵みに感謝することを忘れた人間に、不穏な空気が流れます。


争いが始まりました。すさまじい爆音、火薬の匂い。



「今さえよければええじゃないか」と連呼する人間たち。
次々と木は切り倒されてしまいます。


大地や森を自分たちの物のように扱う人間・・・行くところまで行かないと、何も解らないのだろうか。
 
 
戦いは終わり、森は荒れはててしまいました。
そこにまた、あの男があらわれいつかのようにまた、たったひとりで木を植えはじめました。
 
 
「人間は不思議な生き物だ。愚かな戦争をするかと思えば、自然をよみがえらせもする。
旅人よ、どうやらおまえのやったことは正しかったようだな。」と風が話すように、また人々が集まってきました。
 
空には幸せを象徴するかのように、多数の鳥の風船が舞い上がります。
 
 
そして、観客も加わったフィナーレは4万人の大合唱。夜空に歌声と感動が響き渡りました。
 
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