今日散策する国上山(くがみやま)は、良寛様の庵があったことでも知られる標高 313mの小高い山。
 今日は藤石森林インストラクターとともに紅葉の国上山を散策しながら、植物達の生命の不思議を探っていきます。国上山への吊り橋を渡って(千眼堂つり橋124m)五合庵も通っていきました。
 
和尚が20年住んだ五合庵 良寛和尚像の前で
 さて、いよいよ紅葉の国上山に登ります。今日はお天気もよく絶好のトレッキング日和!
 入ってすぐの道での道で「ちょっとズボンのすそを見てみて」と藤石さん。見れば草の種のようなものがたくさん着いています。 「この草は葉っぱが縮んでいるから"チヂミグサ"っていうんですけど、種はこんな風にねばねばしていて、動物や人にくっついて広げているんですよ」なるほど、頭がいいね。
材料調達に出発ー! 早速すそに付いたものは
●びっくりするほどはねる!

/「そしたらさ、今度はこの草をさわってみて」と言われてゆきじがさわったとたん、パーン!!と勢いよく何かがはじけて飛び散りました。「この草は"ツリブネソウ"といってこんな風に種をはじいて飛ばすですよ」
 へー、おもしろ〜い!もっとやりた〜い!としばし種とばしに熱中!"ツリブネソウ"の作戦にまんまとかかっているよね。

さわったら… 細長いところに種が入っています

 少し歩くと藤石さんが懐かしいものを見つけました。「みんなこの植物覚えているかな?"コシノカンアオイ"ギフチョウの育ての親だったよね!」そうそう春の山で みつけたよね!春の女神ギフチョウも優雅だったよね!

コシノカンアオイ
●ブナの木の秘密
/「ここにブナの木があるけどさ、あまり実が落ちてないよね、実は去年はブナのなり年で豊作だったんだけどさ、ブナは6〜7年に1回ぐらい豊作になるんだ。なぜだかわかる?」

 ブナの木は平年は適当な量の実をつけることで、それを食べる森の動物たちの量を調整しておいて、時々動物が食べきれないほどの木の実をつけることで、仲間を増やしているんですって。
 ブナの木ってみんなで相談しているのかな?不思議だよね。
見上げると大きく枝を広げたブナの木
 
/「ねえみんな、このブナの木は立派だよね、そしてさ、ふと足元を見ると小さなヒメアオキがあるよね。
 森はさ、ブナやヒメアオキやたくさんの植物で成り立っているよね。そして大きな木が偉いかといったら決してそんなことはないよね。 コシノカンアオイがギフチョウを育てるように、それぞれの植物にそれぞれの役割があって森が成り立っているんだよね。
 だから、我々人間もあまり人と比べたりしないでさ、自分らしく生きていけばって、森が教えてくれているような気がするんだよね」

 そう言われてみると、どの草木もみんなそれぞれ個性的だよね。
ブナの木とヒメアオイの木
顔くらいの大きさの葉っぱがありました
 
 藤石さんがおもしろい種を採ってくれました。種から葉っぱが出ていて、なんだかはねつきの羽根みたいです。
「この"ツクバネ"はね、この羽根を利用して種を遠くに飛ばしているんだよ」と藤石さん。"チヂミグサ""ツリガネソウ""ツクバネ"それぞれ種の保存(繁栄)のために一生懸命頑張っているんだね。
●紅葉?
 ところで普通紅葉というと、赤い紅葉と黄色い紅葉がありますよね。でも中には"コシアブラ"のように白く紅葉する植物もあります。これは"白葉"などとも呼ばれているそうです。
おもしろい種を見つけました はねつきの羽根みたい!
これは普通の紅葉 "コシアブラ"白いけど紅葉